1番滑走で大会の先陣を切った横井ゆは菜(22=邦和みなと/中京大)は54・87点にとどまり、12人中12位となった。

サルコー-トーループの連続3回転、ダブルアクセル(2回転半ジャンプ)を着氷させたが、演技後半の3回転フリップで転倒。悔しげな表情を見せて「追い込まないで気楽に、気楽に、といったのが、ある意味悪い方向に出た。もう少しプレッシャーをかけた方が、試合はうまくいくと思いました」と振り返った。

4季連続のGPシリーズ参戦になるが、心構えを変えて臨んでいた。

「劣等感だったりとかを抱かずに、いま自分がここの大会に出られてるってことを楽しんで、最後までやりきるってことが目標です」

大会前に誓っていた。昨年は大会規模に自分の実力が見合わないのではないか。そんな疑問が体をこわばらせ、気持ちを揺らしたという。その反省がある。

「ここに立てていることに感謝をしたい」

その一心で滑っていた。前夜、妹きな結が西日本選手権のSPに挑んでいた。全日本選手権への大事な試合。「自然にパッと起きた時間がちょうど妹のやってる時間で」。上位7人が突破できる条件で7位。「尊敬っていうか、妹なりにプレッシャーに打ち勝ってやったんだなっていうのがあったので。ここで私も良い技をして姉らしくっていうか、そうありたいなと思ったんですけど」と振り返った。

SPはその思いは果たせなかった。ただ、まだ29日のフリーがある。「私もあしたのフリーをしっかり、やるべきことをやって、メンツを保ちたいじゃないですけど、まあどっしり構えられるようにしたいなと思います」と固く誓った。(ミシソーガ=阿部健吾)