「摩耶! V1目指して頑張れ!」。Vリーグ2部(V2)アランマーレ山形は12、13日、宮城・本山製作所青葉アリーナでヴィアティン三重、千葉エンゼルクロスと対戦する。仙台市出身の伊藤摩耶(25)は、東北生活文化大高(宮城)で3年間を過ごし、日体大を経てアランマーレ山形でプレーしている。同校で指導した池田信文監督(65)が教え子との思い出を振り返り、エールを送った。【取材・構成=相沢孔志】

    ◇    ◇    ◇  

指導歴42年の池田監督は、Vリーグでプレーする伊藤の活躍を喜び、指導してきた選手の中では「5本の指に入る」と高く評価している。中学時代は県選抜に選出された身長170センチを超える逸材。12年4月に入学し「ブロック、スパイク、サーブに関してはいいものを持っていました。一番良かったのはスパイク」と回想した。

同校では1年からレギュラー。2年の新チームから主将となり、3年の県総体で4強入り。口数は少なかったが、プレーでチームをけん引。他の部員の面倒もしっかりみていたという。

池田監督 主将就任が決まったときに「あなたは本当に素晴らしい選手だが、レシーブとトスがあって、あなたが生きている。だから、ほかの選手の面倒もしっかりみないといけない。そして、思いやりを持って接し、引っ張っていかないといけない」という話をしました。

伊藤は日体大3年時に関東1部リーグのブロック、サーブ賞を受賞。そのときにもらった連絡は今でも鮮明に覚えている。

池田監督 「個人賞を取りました」とすぐに連絡が来て、とてもうれしかったのを覚えています。よほど頑張らないと(賞は)取れないと思っていたので…。まさか摩耶が取るとは…。

アランマーレ山形での活躍は新聞やインターネットなどで確認している。大会や練習試合があり、まだ応援には行けていないが、来年2月にも宮城・富谷市で試合がある。「私は今年65歳で定年を迎えます。だから、来年から(応援に行く)機会は増えると思う。でも退職前に試合を見たいと思います。できれば生徒を連れて応援に行きたいですね」。

県内の高校女子バレーは古川学園が席巻しており、同校はまだ全国高校総体、全日本バレーボール高校選手権の出場はないが、V2で活躍する伊藤先輩の存在は大きい。悲願のV2優勝、V1昇格に燃える教え子にエールを送った。

池田監督 全国大会出場はなくても関東1部で個人賞を取り、実業団でプレーしていることは、生徒たちにとっては雲の上の存在。選手勧誘の際には、実業団で頑張っている選手がいるという話はするので「生文の伊藤摩耶」は知られていると思います。勝つには気持ちだと思いますけど…。自分に負けず、チームを引っ張ってV1に行けるよう頑張ってください!

常に高みを目指したから今がある。目標達成の報告を待ち望んでいる。