ラグビー日本代表の強化を担当する藤井雄一郎ディレクター(53)が24日、サッカーのFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会でドイツに勝利した日本代表に言及した。秋の代表活動を総括するオンライン会見で、冒頭に「恐らく今日はサッカー一色でラグビーどころではないと思うけれど、最後まで食らい付いて、最後ああいう戦い方でとどめを刺した。私たちも目指しているところ」と格上相手の戦いをたたえた。

23年9月開幕のW杯フランス大会を控えるラグビー日本代表は、10月から強化試合を3戦、テストマッチ3試合を実施。格上のニュージーランド、イングランド、フランスには3連敗となったが「若い選手は(SO)李承信、(ロックの)ワーナー、(フランカーの)下川とゲームに出た中で、それなりのプレーをしてくれた。ワーナーに関してはMVP級の活躍」と経験値向上を前向きに捉えた。

12月に国内のリーグワンが開幕し、23年5月下旬まで戦いは続く。全体での代表の本格的な再始動は同6月初旬を予定し、リーグワンで早くシーズンを終えたチームの選手は、早めから合宿に入る見込みという。

リーグワンの日程の兼ね合いがあり、W杯開催年の2月から代表強化を始めた19年日本大会時と比べ、準備期間が短いのが実情。藤井ディレクターは「リーグワンでしっかりプレーできれば(代表に)シフトするのは難しくない」とし、SO松田力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、ロックのジェームス・ムーア(浦安D-Rocks)、FBセミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ)らの名前を持ちだした上で「今回ケガで来られなかったり(選考から)落ちた選手は、どうなっているか見ていきたい」とさらなる戦力アップを見据えた。【松本航】