関学大が立命館大を10-6で破って7戦全勝とし、7年連続の甲子園ボウル(12月18日)出場へ“王手”をかけた。既に59度目の優勝を決めていたが、宿敵を下し、単独優勝を決めた。関学大は、関西代表として全日本大学選手権準決勝(12月4日、西南学院大戦)に臨む。京大は甲南大を20-0で下して3勝4敗。甲南大は6敗目(1勝)で、入れ替え戦に回る。

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ロースコアの厳しい展開。わずかな失点も許されない中、DLトゥロターショーン礼(3年=関西学院)ら、粘り強い関学大ディフェンス陣が相手の攻撃を阻止して勝利に導いた。

10-6で迎えた第4クオーター(Q)残り1分1秒。ディフェンス陣がラストチャンスにかける相手QBをとらえてQBサック。攻撃権を奪い取り、そのまま4点差で勝ちきった。

DLの主要選手で、この日2度のQBサックとインターセプトで貢献したトゥロターは「絶対にいいプレーしたる! という気持ちでやった」としたり顔だ。

トゥロターは、高校2年生でインターナショナルボウル2019高校日本選抜メンバーにも選出された実力の持ち主。大学入学後はけがで出場機会に恵まれなかったが、3年の冬にやっと報われた。

オーストラリア人の父、日本人の母の間に生まれた。188センチ、98キロの体格に手足の長さも随一で、前節の関大戦でも長い手を生かして相手ボールを抑え、攻撃権を奪取していた。ビッグゲームでチームを救ってきたトゥロターの頭の中には、NFLのスター選手、JJ・ワットがいる。「プレーを見て、こんな選手になりたいと思いました」。憧れの選手に近づいたかと聞かれ「そう見えてたらうれしいです」と照れた。

大村和輝監督も、ディフェンスの活躍には「100点。ランをこんなに止めることないですよ」と満足げに語った。

全日本大学選手権準決勝は12月4日、博多の森で行われ、関学大は関西代表として九州代表の西南学院大と対戦する。大村監督は「今シーズン一番のゲームができるように、しっかり戦いたい」。ここまで無敗の王者が、甲子園ボウルまであと1勝に迫った。【竹本穂乃加】

○…立命館大は12年ぶりの優勝を狙ったが、王者関学大の強固な守備に阻まれた。0-7の第3Qに、QB庭山がTDを奪うも、追い上げ及ばず、3位で今季を終えた。関学大に勝利していれば、全日本選手権出場の可能性もあった。3年生QBは「同点やったら甲子園が無くなるゲーム。TD取らないと-という風(な考え)になってしまった」。悔やみつつも「今までの取り組みは間違ってなかったはず。来年、やるべきことをやり尽くしてこの場に帰ってくる」と誓った。

◆全日本大学選手権 大会方式が今年から変更され、これまでの「東日本」「西日本」という枠組みを取り外し、全国8学連から代表1校ずつが大会に出場し、トーナメントで争う。関西は1位の関学大が準決勝から出場。九州代表の西南学院大と対戦し、勝者が甲子園ボウル(12月18日=決勝)へ進む。