ラグビーの「リーグワン」は17日に2季目が開幕する。コベルコ神戸スティーラーズは18日の初陣で横浜(キヤノン)と対戦(神奈川・ニッパツ)。16日はメンバーを発表し、WTBに新人の松永貫汰(23=筑波大)を大抜てきした。BL東京(東芝)に在籍する兄・拓朗(24=天理大)も17日埼玉戦にFBで先発予定。異例となる兄弟の開幕スタメンとなる。昇格1年目の花園(近鉄)は18日に東葛(NEC)と対戦。今季は上位4チームがプレーオフに進出し、決勝は5月20日に行われる。

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身震いするほどの大抜てきになった。真冬の寒さに見舞われたこの日、神戸・灘浜で調整した松永の表情はこわばっていた。「水曜に(先発を)知った時はさすがに緊張しました」。チームの歴史を振り返っても、新人の開幕スタメンは神戸製鋼時代の12年開幕戦のフランカー安井龍太(現横浜)以来10年ぶり。過去にも昨季限りで引退した前主将の橋本大輝ら数えるほどしかいない。しかもBL東京に在籍する兄・拓朗とともに兄弟での開幕先発だ。

身長167センチの小さな体で大産大付から進んだ筑波大では主将を務めた。プロ契約ではなく人事部に在籍する社員選手。「高校は花園に行ったことがないですし、大学もチャレンジャーの立場。チャンピオンを目指せるチームでやりたかった。トライにつながるプレーをして新人賞を狙いたいです」。初々しさの中に、強気な思いをのぞかせた。

日本代表WTB山下楽平が負傷でメンバー外となり、巡ってきたチャンス。バックス陣はFB山中亮平とSO李承信の日本代表に加え、両CTBに元ニュージーランド代表のラウマペとリトルの強力コンビ。昨季は7位に低迷し、山中は「結果を出さないといけない」。新戦力とともに、開幕星を目指す。【益子浩一】

◆松永貫汰(まつなが・かんた)1999年(平11)9月28日、大阪生まれ。大阪・中野中1年から競技を始め、大産大付から筑波大へ。7人制日本代表を経験し、今春から神戸入り。兄・拓朗は天理大で一昨年度の大学日本一メンバー。167センチ、79キロ。

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