全国高校バスケットボール選手権(ウインター杯、日刊スポーツ新聞社特別協力)が23日、東京体育館などで幕を開ける。女子では7年連続8度目出場を果たす浜松開誠館が、目標に掲げるチーム初の4強以上を目指す。

けがで県大会に出られなかった前主将のガード萩原加奈(3年)が、コートに戻ってくる。同大会開幕直前の10月中旬、練習試合中に「ポキッと音がした」と右足小指の中足骨を疲労骨折。チームの精神的柱に成長したエースは、県優勝後のインタビューに松葉づえ姿で登場。仲間に「勝ってくれてありがとう」と、うれし涙を流した。

その後は完治に努め、今月上旬に練習復帰。「迷惑をかけてしまった。みんなには感謝しかない」と思いを口にした。得意プレーは力強いドライブからのジャンプシュート。どこまで無理できるか手探りだが、大舞台では「自分ができることをしっかりやりたい」と力を込めた。チームメートを生かすパスやドライブを仕かけ、試合の流れをつくるつもりだ。

23日の1回戦で開志国際(新潟)と対する。レベルの上がる全国舞台。大黒柱は「コート上の5人が役割をやりきることが求められる」と気を引き締めた。主将のたすきを受け継ぎ、エース不在で県大会をのりきったガード小幡夕夏(3年)からは「プレーに全集中してもらいたい」と期待される。強いフィジカルやしつこい守備を高評価する三島正敬監督(47)からも「全国で上を狙うには必須のメンバー」と頼られた。

主将として臨んだ前回は3回戦で東京成徳大高と対戦。49-73で敗れ、目標の4強に届かなかった。昨年の経験も糧に、復帰を待ち望んだチームの思いにこたえたい。【倉橋徹也】

◆萩原加奈(はぎわら・かな)2004年(平16)7月23日、清水町生まれ。町立清水小-浜松開誠館中。姉の影響で、小1から清水町キングフィッシャーズでバスケを始めた。小6、中2、3年で県選抜入り。中3時、全国中学体育大会の東海大会に出場した。高1の冬からレギュラー入り。翌年夏から、けがで離脱するまで主将を務めた。右利き。血液型A。家族は母と姉。