初出場で女子3位に入ったジュニアグランプリ(GP)ファイナル優勝の島田麻央(14=木下アカデミー)が、次の大きな目標に進む。

24日のフリーはトリプルアクセル(3回転半)、4回転トーループの大技2本で転倒したが132・51点を記録し、合計202・79点で表彰台に立った。年明けの照準は全日本ジュニア選手権2連覇で出場権を持つ世界ジュニア選手権(2月27~3月5日、カナダ・カルガリー)。日本女子最年少14歳4カ月での優勝へ、さらに成長していく。

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初々しい表情でマイクを握り、島田はフリー後の上位3人の記者会見で思いを発した。「初めてシニアの選手たちと一緒に試合に出て、自分は全て追いつけていない。これからもっともっと追いついていけるように頑張っていきたいと思います」。優勝した坂本花織から「ジュニアが育っているので、日本の未来は明るい」、2位の三原舞依から「どこでもポンポコとジャンプを跳んでいて本当にすごい」と評されても、最後まで謙虚な言葉を並べた。

中学2年生の堂々とした演技だった。フリーは大技の2本で転倒したが、以降はルッツ-トーループの連続3回転などジャンプ5本で全て加点を引き出した。ステップは最高のレベル4。演技後は悔しさをにじませながらも「世界ジュニアが(正式に)決まったらすごく緊張すると思う。そこに生かしたい」と最終組での経験を前向きに捉えた。

国内外で注目を集める14歳は年明け、世界最高峰の大会に向かう。世界ジュニア選手権では優勝候補大本命に位置付けられ、頂点に立てば日本女子で16年の本田真凜以来、7年ぶりとなる。日本勢は過去7人の女王が誕生しているが、14歳4カ月での優勝は憧れる浅田真央の14歳5カ月を上回る最年少記録。浜田美栄コーチは「まだまとめる時期じゃない。とにかくアクセルと4回転を、しっかりと入れられるようにしていきたい。彼女はスピンも上手なので、そこも磨いていきたい」と青写真を描いた。

年齢制限の引き上げにより26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪には出場できないが「世界ジュニアでの連覇、ユース五輪を目標に変わらず努力したい」と誓ってきた。30年の五輪は21歳。同コーチは「まとめるのはまだまだ先。(現在は国際大会に参加できない)ロシアは(高難度ジャンプを)バンバンとやっている」とし、二人三脚で攻めの姿勢を貫いている。新たな年も、小さくならずに頂を目指す。【松本航】