3年ぶり7度目出場の藤枝明誠が、静岡県勢男子初の決勝進出を逃した。5年連続5度目出場の開志国際(新潟)に76-78と惜敗。両者譲らない接戦の中、中盤でリードを死守。相手と互角の勝負を演じたが、終盤でチャンスを逃し、3位タイで今大会を終えた。

    ◇    ◇    ◇

藤枝明誠が、王者決定戦進出にあと1歩のところで大舞台から姿を消した。B1リーグ千葉J・富樫勇樹(29)の父富樫英樹監督(60)率いる開志国際に、ラスト5秒で敗れた。76-76の同点で迎えた残り17秒。相手に2点シュートを決められ、逆転を許した。金本鷹(よう)監督(32)はすぐにタイムアウトを取り、PF上野幸太主将(3年)をラストプレーヤーに指名。本来はドライブで切り込み、ファウルを狙う作戦だった。

しかし、切り込めないとふんだ上野は2点シュートを選択。同点として延長に持ち込むはずだった1本がリングにはじかれ、直後に終了のホーン。上野はコート上に2度3度と伏せ、涙を流した。「勝てない試合ではなかった。最後にシュートを外して悔いが残った」。ベンチに戻っても泣き続けた。指揮官は「彼(上野)のシュートが外れて負けるのなら、全員が納得できること」。互いの得点差が最大11点までとなった拮抗(きっこう)した試合を振り返り「チーム全員で戦った結果」と強調した。

インサイド勝負で敗れた。競り合った第3クオーター(Q)で、208センチセンターのボヌ・ロードプリンス・チノンソ(1年=ナイジェリア出身)と2年生エースで得点源のSF赤間賢人が、ともにファウルを4つ取られた。残り2分で流れを奪われ、このQだけで29点を献上。これが命取りにつながった。

見せ場はつくった。赤間は両チーム最多の25得点を挙げ、ロードプリンスは準々決勝に続き同23リバウンド。ゲーム主将のPG谷俊太朗(3年)は同10アシストで貢献した。チームは堅守速攻をやり抜き、「静岡のバスケ、ここにあり」を全国に見せつけた。新主将に赤間を指名した指揮官は「足りなかった部分を踏まえ、3年生の残してくれたことを新チームが受け継ぎ、成長してほしい」と前を向いた。【倉橋徹也】

◆テレビ放送 男子決勝は29日午後1時からテレビ朝日系で生放送。

【高校バスケ「ウインターカップ」スコア速報】はこちら>>