初出場の新潟中央は熊本信愛女学院(2年連続34度目)に貫禄を見せつけられ、0-2で屈した。

第1セットは接戦に持ち込むが、第2セットはU-21日本代表候補でVリーグ1部NEC内定の原嶋睦夢(3年)擁する伝統校の攻撃に押し切られた。選手が左手甲に書いた「GK(ジャイアントキリング)=番狂わせ」を起こすことは出来なかったが全員攻撃・全員守備は貫いた。登録メンバー17人中、3年生は4人。全国を経験した1、2年生が中心となり、再び大舞台に戻る。

   ◇   ◇   ◇

新潟中央は最後まで粘りを見せたが、0-2のストレート負けとなった。第1セットは能登杏菜主将(3年)、遠藤葵や小田嶋美月(ともに2年)らが得点を重ねて接戦に持ち込むも、22-25で落とす。第2セットも序盤は競った。だが中盤以降、原嶋を中心にギアを上げた熊本信愛女学院に突き放された。佐藤淳司総監督(47)は「ひるんだつもりは一切ない。選手は立派だった。相手の力が上回っていた」と振り返った。

平均身長差は約7センチ。高さ、速さがある相手に対し、佐藤総監督は「ブロックのタイミングを合わせることと粘り強く、泥臭くやっていこう」と選手を鼓舞。ただ春高34度出場の伝統校のプライド、経験値は想定以上だった。「全てにおいて自分たちよりレベルが上だった…」と声を振り絞った能登は、最後には「大切にしてきた明るさや勢いは出せた」とすっきりとした顔を見せた。

佐藤総監督はこれまで長岡商を春高に5度導いた。新潟中央には19年赴任し、初めて勧誘した選手が現3年生。進学校でスポーツ推薦枠はないが、能登は「佐藤総監督とバレーがしたくてここに来た」と言った。佐藤総監督は「まっさらなところからスタートした。人間としてここまで伸びるといった部分を見せてもらった」とひたむきに努力を重ねた最上級生4人をねぎらった。

「GK」を起こしての春高初出場での8強進出はならなかったが力は示した。新チームの要となる小田嶋は「通用した部分もあった。(新主将の)遠藤を支えながら全員で成長し、絶対にここに戻る」。今大会で得た手応えをヒントに新潟中央はさらに強くなる。【小林忠】

【春高バレースコア速報】はこちら>>