3年ぶりの優勝と女子シングルス、ダブルス、混合ダブルスの3冠を目指す早田ひな(22=日本生命)が、盤石の試合運びで8強に進出した。

ジュニア女子を制した張本美和(14=木下アカデミー)に4-1で快勝した。

第1ゲーム(G)を11-9で奪うと、第2Gは4-10とゲームポイントを握られながら、的確にコーナーを突いて反撃。ジュースに持ち込み、14-12で奪取した。

その後もボールを丁寧に台上へコントロールし続け、得点を重ねた。

勢いに乗る相手を寄せ付けず「自分自身が冷静になって、1歩引いた状況で試合ができた。ここに狙っていそうだと感じることができた」とうなずいた。

同大会は24年パリオリンピック(五輪)の選考を兼ねており、早田は3種目に臨んでいる。過密日程の中での試合が続くが、先を見据えて戦っている。

「どんな時でも100%じゃないと、この選考レースを勝ち抜けない。いざ中国の選手とパリ五輪で対戦しても、勝つ技術や精度には至らない場合もある。選考レースで常に進化していくことも大事」

目の前の試合を勝ち切ることはもちろん、1年半後の五輪でも通用する力を蓄えようとしている。

28日は女子シングルス準々決勝と、女子ダブルス準決勝、決勝を控える。「帰ってリセットして、またイチから頑張りたい」。すでに心は明日に切り替わっている。【藤塚大輔】