同い年コンビで愛称“みまひな”の伊藤美誠(22=スターツ)、早田ひな(22=日本生命)組が史上初の5連覇を達成した。成本綾海(27)、井絢乃(23)組(中国電力)を3-0(11-7、11-7、11-8)で下し、日本一に輝いた。

最後のポイントを奪うと見つめ合った後にハイタッチし、伊藤は「『なんか(最後の得点が)入った』っていう感じで、ひなと顔を合わせて、同じ顔をしていたと思います」。早田は「伊藤選手とは良きライバルで、時に一緒に頑張って、裏の『チーム美誠』『チームひな』の皆さんのおかげで5連覇できた。『みまひな』を応援してくださる皆さまに、恩返しができるように連覇を続けていきたいです」と意気込んだ。

あうんの呼吸の2人が支え合い、頂点に立った。前日27日、伊藤は2連覇を目指したシングルス6回戦で高校3年生の横井咲桜(さくら、18=大阪・四天王寺高)に敗戦。詳細こそ明かさなかったが「体が絶好調ではない」と大会中にも鎮痛剤を服用したことを明かした。

この日は準決勝でカットが主体の佐藤瞳、橋本帆乃香組(ミキハウス)を3-1で下して決勝に進んだ。19年の世界選手権(ブダペスト)で銀メダルを獲得するなど、百戦錬磨の2人。今大会のダブルス初戦となった4回戦(26日)後には、互いへの信頼が言葉ににじんだ。

伊藤「(シングルスでの戦いを経て)久々に組んでも、何かまとまりがある。すぐにまとまりが出る。自分たちなんですけれど『何か、このペアってすごいな』って自分でも思います」

早田「美誠は自分自身にとって1人『違う関係でもあるな』と思います。(ダブルスは)2人で頑張って、シングルスになったらお互い100%でぶつかり合おう、という関係性です」

シングルスでは24年パリ五輪(オリンピック)の代表切符獲得へ、1年後まで続く選考レースでライバル関係にある。そんな2人が手を取り合い、今年もダブルスで日本の頂点に立った。【松本航】

◆近年の優勝ペア

◇14年 平野早矢香、石川佳純組

◇15年 平野早矢香、石川佳純組

◇16年 天野優、中島未早希組

◇17年 平野有貴、永尾尭子組

◇18年 伊藤美誠、早田ひな組

◇19年 伊藤美誠、早田ひな組

◇20年 伊藤美誠、早田ひな組

◇21年 ※新型コロナウイルスの感染拡大で開催せず

◇22年 伊藤美誠、早田ひな組

◇23年 伊藤美誠、早田ひな組