14年ソチ、18年平昌オリンピック(五輪)2連覇王者で、昨夏プロ転向した羽生結弦さん(28)のスケーター史上初となる東京ドーム単独アイスショーが幕を開けた。

同所に氷を張るのも初めてという中、注目のリンクは、電光掲示板と長辺が垂直になる長方形で、周囲は演出エリアが設けられた。

午後5時過ぎに開演した後、まずオーケストラが入場する。大型ビジョンの両脇に、手のオブジェに包まれるように演奏席が設けられ、ファンが埋め尽くしたチケット完売のスタンドから見て左側に支える人たちが陣取った。

続いてナレーション。「絵本のような物語」と本人が公言していた通り、ストーリーが紡がれ始めた。

「そこに幸せはありますか? 誰かとつながっていますか? 心は壊れていませんか? 大丈夫、大丈夫。この物語とプログラムたちはあなたの味方です。これはあなたへ、あなたの味方の贈り物」

その後は世界地図と羽生さんがジュニア時代から出場してきた大会と写真が流れ、スクリーンが燃える迫力映像に合わせて、ついに登場した。

中央からクレーンがせり上がり、その先端に羽生さんがいた。不死鳥の赤い衣装に身を包み、両手を広げる。ストラトビンスキーの「火の鳥」に合わせて氷上に降り立つと、羽ばたくような動きやイナバウアーで舞いを始めて、場内をいきなり沸騰させた。