プロフィギュアスケーターの羽生結弦さん(28)が26日、独り舞台となったアイスショー「GIFT」でスケーターとして初の東京ドーム公演を行った。

大がかりな演出で、アイスショーを進化させると誓った舞台。14年ソチ、18年平昌五輪の2連覇などの来歴を振り返るモノローグ、試合さながらの練習からの演技、4回転を含む技術までを、満員となる3万5000人の観客に届けた。

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東京ドームの内野から外野にかけて30×60メートルのリンクが設営され、その周囲で炎が立ち上がり、演者が踊った。オーケストラにバンド演奏。そして大型ビジョン両脇に設置された大きな手は、「オペラ座の怪人」が始まる際、マスクを着けたビジョンの羽生さんの顔と“合体”し、巨大ファントムとなる仕掛けとなっていた。

「ショーを進化させたい」。羽生さんのそんな思いが独自の空間演出を誕生させた。試合さながらの緊張感に、ペンライトで会場の一体感を生む場面まで。羽生さんは「本当にフィギュアスケートならではの一期一会な演技が1つずつできた」と振り返った。

◆「Yuzuru Hanyu ICE STORY 2023“GIFT”at Tokyo Dome」 羽生さん制作総指揮。スケーター史上初となる東京ドーム単独アイスショー。タイトルの意味は「恩返しの贈り物」(羽生さん)。今月11日にSS席2万7500円をはじめとする全席種のチケットが完売した。韓国、台湾、香港も含めた国内外の映画館での生上映や有料ライブ配信も行われた。