バレーボール男子で昨年度の全日本高校選手権(春高バレー)優勝に導いた日本航空高(山梨)の月岡裕二監督(54)が、部員を平手打ちしていた問題で解任されたことが20日、同高の取材で明らかになった。

先週の時点では厳重注意処分としていたが、梅沢重雄理事長が17日に山梨キャンパスを訪れて関係者と協議。翌18日に部員を集めて謝罪し、監督交代を報告したという。後任人事は23日以降に発表される見通し。

同校の説明によると、月岡氏は先月19日の練習試合で部員1人の頬を平手打ちした。体罰を疑う情報が県や警察に次々と匿名で寄せられ、プレーを見返すためにチームで撮影していた動画も流出。そこには1年生を平手打ちする様子が映っており、怒鳴る声も収められていた。部員全員への聞き取りも行った結果、体罰を加えていたことが事実と確認された。

その後、県や警察の聴取に監督が応じ、当該部員の保護者と本人にも謝罪。一方で、けがはなく、被害届を提出する意向もなかったといい、学校側も常習性がないと認定したことから「厳重注意処分」とし「今後は体に触れないこと」などの厳守を約束させた上で、指導はできる状態が維持されていた。ただ、月岡氏は練習に出ていない状態が続いていたという。

その処分を先週16日に公表した後、学校法人の理事長が事態収拾を図って踏み込んだ決断をし、一転して解任処分に至った。

月岡氏は藤沢商高(現藤沢翔陵高)時代にインターハイと春高で2冠。明治大をへてVリーグのサントリーで活躍し、社会人でも日本一を経験した。98年に日本航空高の監督に就任。03年から今年まで21年連続で春高バレーに出場し、昨年の大会で悲願の県勢初優勝を遂げていた。【木下淳】