日本バレーボール協会は27日、23年度の女子日本代表チーム「火の鳥 NIPPON」の登録メンバー40人を発表した。エースで主将の古賀紗理那(26=NEC)ら実績組に加え、12年ロンドン五輪銅メダルの大友愛さんの長女、秋本美空(みく、16=共栄学園1年)や米大学院生の小林エンジェリーナ優姫(23)ら、12人が初選出組で名を連ねた。真鍋政義監督(59)の下、9月のパリ五輪予選に向けてスタートを切る。

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真鍋監督は、会見の冒頭で堂々と宣言した。「五輪へのチケットは自分たちの力でつかみ取るしかない。五輪予選では必ず上位2チームに入って出場権を獲得したい」。9月16日に東京・代々木第1体育館で開幕するパリ五輪予選。現時点で自信を持ってベストと言える、40人の代表登録メンバーを選び抜いた。

エース古賀や石川、関らの実績組に加え、初選出12人が名を連ねた。年齢や所属は関係なくフレッシュな顔触れをそろえ、チームの活性化を図ることが狙い。12年ロンドン五輪銅メダルの大友愛さんを母に持つ秋本は、高校生でただ1人、選出された。U-18日本代表メンバーで、通学する共栄学園(東京)は、今年の全日本高校選手権で8強入り。真鍋監督も「バランスの取れた将来有望選手。日の丸をつけて活躍する姿を見てみたい」と期待を寄せる。

“隠し玉”も選んだ。米大学院に通う小林エンジェリーナは、日本代表歴代最高の身長196センチのミドルブロッカー。母が日本人で、アメリカ人の父は日本のバスケットボールリーグでのプレー経験もあるという。「歴史上の日本女子バレーの中で一番身長が高い。驚異的な高さを期待する」と、ポテンシャルからの伸びしろを楽しみにした。

登録メンバー40人は、まず全員が4月からNTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)で強化合宿開始。5月8日からは登録されるメンバーが20人に絞られ、新代表“初陣”となる、世界16カ国が参加して約1カ月間かけて各国を転戦する「ネーションズリーグ」(5月30日、日本ガイシホール開幕)には、17人が参加する。そして原則ではこの中から14人が選ばれ、9月のパリ五輪予選に臨むメンバーとなる。12年以来の五輪メダルを目指し、じっくりと戦力を見極めていく。【勝部晃多】

◆秋本美空(あきもと・みく)2006年(平18)8月18日、神奈川県生まれ。小2で競技を始め、共栄学園中3年時に全日本中学生選抜認定選手に選ばれる。共栄学園高では1年時から全日本高校選手権に出場し、同校の8強入りに貢献した。U-18日本代表にも名を連ねる。183センチ、68キロのアウトサイドヒッター。

◆過去の女子日本代表の190センチ台の選手 01年11月のグランドチャンピオンズ杯で、193センチの河村めぐみ(東九州龍谷高)が選出された。196センチの小林エンジェリーナ優姫は歴代の日本代表の中では最長身となる。Vリーグでは下部のチャレンジリーグのPFUに所属した塚原佳代子の195センチが最長身。男子日本代表では昨年4月に選ばれた210センチの牧大晃(筑波大)が最長身となっている。