Wリーグ参入2季目のアランマーレ秋田は、8勝18敗の10位で終え、6選手とスタッフ3人が今季限りでの退団を発表した。退団者が在籍期間を振り返る「さよならアランマーレ秋田」第2回は嘉陽梨佳子(24)です。(敬称略)【取材・構成=相沢孔志】

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トライアウトでWリーグ参入初年度の21年に加入した嘉陽は、2年間を感謝を込めながら振り返った。

「自分は引っ張られたというよりも自分から飛び込んだという感じなので…。ありがたいことに引っ張っていただき、お金をもらって仕事とバスケットをする厳しさ、中途半端な気持ちでできる世界ではないというのを体感できました」

1年目は全24試合に出場し、通算出場時間はチーム3位。さらなる飛躍を期した今季はケガに泣いた。昨夏に左足首を捻挫。開幕前に復帰したが「思い通りにいかなかった試合ばかり」と、自分のプレーに納得できなかった。さらに1月、三菱電機戦で左手の指を骨折した。「とにかく早く治してコートに立ちたい」。全治3カ月と診断され、万全な状態で復帰を目指すも思いはかなわず、今季終了後、現役引退を決断した。

「自分の中でもWリーグに入って、最初の方で結果が残せなかったらもう終わろうと思っていました。自分の筋というか、結果を残せないシーズンがあったら、引退して次のセカンドキャリアに進もうと…」

バスケットは小学2年から始めた。家族に引退を報告すると「ここまでやってきて『お疲れさま』というのが一番でしたね」。大卒2年目の24歳。年齢を見れば、まだまだ現役を続けられると思われるかもしれない。「大学の先生や私のバスケット人生に関わってきた方々は『なぜ続けないんだ!』とかはなかったです」。周囲は自分の決断を理解し、背中を押してくれた。

「将来的にはバスケットにかかわっていきたい。沖縄に恩返しをしたい思いもありますし、小さい子にバスケットの楽しさや夢を与えられたらと思います」

2季在籍で通算36試合出場。故郷で大輪の花を咲かせるため、やり切った自信を胸に、新天地へと羽ばたく。