21年東京五輪女子団体銀メダルの平野美宇(23=木下グループ)が、24年パリ五輪選考レースで2位に浮上した。シングルス代表選考対象大会「全農CUP」の5~8位決定戦で井絢乃(中国電力)、長崎美柚(木下グループ)に連勝して5位となり、選考ポイント60点を獲得。優勝して独走態勢の早田ひな(日本生命)に次ぐ、代表圏内の2番手につけた。男子は選考レーストップの張本智和(智和企画)が決勝で敗れ、優勝した戸上隼輔(明大)が2位に浮上した。
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平野らしい柔和な笑みに充実感がにじんだ。5位決定戦はTリーグ神奈川の後輩、長崎との対決。持ち味の卓球台近くの攻めに、準備した後方でのブロックも織り交ぜた。3-0で迎えた第4ゲーム(G)は一気に10連続得点。すがすがしく「(初戦で)崖っぷちの試合をして、5位になれて幸せ」と喜んだ。
逆境を楽しんだ。前日6日は1回戦で14歳の小塩悠菜に苦戦。最終Gで3-7と追い込まれながら、土俵際ではね返した。仮に負けていればパリ五輪に向けた選考ポイントは10点止まり。準々決勝で同じく14歳の張本美和に敗れたが、一夜明けても「まだ試合ができる」と前向きだった。5位で上積みは60点。昨年は8番手も経験した選考レースで2番手に浮上し「去年から考えると初めての2位。(五輪を)目指せる、狙える圏内にはきている」とパリの舞台が視界に入ってきた。
今月1日には“かすみう”として東京五輪でダブルスも組んだ石川佳純さん(30)が現役引退を発表した。サーブから3球目の技術を丁寧に教わり、自らの引き出しは増えた。「さびしいですけど、私も石川さんのように偉大な方になれるように頑張りたい」。20日には南アフリカで世界選手権が開幕する。打倒中国も期待される実力者は「1試合ごとにどんどん良くなった。世界卓球につながる」と、確かな自信をつかんだ。【松本航】
▽パリ五輪選考ポイント上位(女子)
(1)早田ひな(日本生命)332・5点
(2)平野美宇(木下グループ)207点
(3)木原美悠(木下グループ)182点
(4)佐藤瞳(ミキハウス)175点
(5)張本美和(木下アカデミー)160・5点
(6)長崎美柚(木下グループ)158点
(7)伊藤美誠(スターツ)155・5点
◆パリ五輪への道 シングルスの代表枠は男女それぞれ2。来年1月開催予定の全日本選手権まで計6度の国内選考会と世界選手権、アジア大会などが選考対象となり、最終獲得ポイントの男女上位2人が選出される。後半の1年はポイントが高く、今回の全農カップは優勝100点、準優勝90点、3位80点、4位70点…となる。今月の世界選手権は優勝200点、準優勝160点、4強120点、8強80点…に設定されている。団体戦出場枠を獲得できた場合の残り1人の代表はシングルスで選出した2人とダブルスが組め、団体戦での活躍が期待できる選手に決定する。


