24年パリ五輪(オリンピック)代表選考レースを独走する早田ひな(22=日本生命)が、日本女子54年ぶりの決勝進出を逃した。
世界ランク1位孫穎莎(中国)に1-4(4-11、5-11、8-11、11-5、8-11)で敗戦。第4ゲームは奪取したが、バックハンドを中心に攻める、前回銀メダルの強敵を崩しきれなかった。試合を終えて「いいボールを打っているけれど、それ以上にコースが厳しかったり、質が高かった。上には上がいるなと思いました」と涙を流した。
前日26日の準々決勝は王芸迪(中国)との激闘を4-3で制し、初の銅メダルを確定させていた。
日本を背負う存在として、今の力を出し切った。
24年1月まで続く五輪代表選考レースは国内外の競技会が対象。同時に来たる五輪での躍進に向けて、国際大会で世界ランクを上げることも求められ、疲労が抜けない状況下で安定した結果を残してきた。
「(状態が)60%でも、40%でも、その時の100%を出せるようにしたい」
今月1日、五輪3大会連続メダルの石川佳純さん(30)が現役を引退した。
「どこかで『石川さんがいるから大丈夫』という気持ちがありました。空気で引っ張っていく選手でした」
個人戦の今大会代表は伊藤美誠(スターツ)と平野美宇が同い年。残る2人は木原美悠、長崎美柚(いずれも木下グループ)と年下になった。現地入り直前の日本代表合宿では、14歳の張本美和(木下アカデミー)と積極的にコミュニケーションを図った。自らの成長だけでなく、置かれている立場を早田は理解する。
「人としての礼儀正しさも大事。自分がそういう(石川さんのような)選手になれるようにしたいと思っています」
夏以降も国内での選考会が控える。銅メダルが確定し、近い将来を見据えた。
「やっぱり努力しか私はできない。努力する方法っていうのは間違っていなかった。努力がいつか報われるように、最後の最後まで努力し続けようと思います」
パリ五輪へ、世界最高峰の舞台での経験を糧にする。
◆今大会のパリ五輪選考ポイント
優勝=200点
2位=160点
4強=120点
8強=80点
16強=40点
32強=20点
◆パリ五輪代表選考レース(大会前時点)
〈1〉早田ひな(332・5点)
〈2〉平野美宇(207点)
〈3〉木原美悠(182点)
〈4〉佐藤瞳(175点)
〈5〉張本美和(160・5点)
〈6〉長崎美柚(158点)
〈7〉伊藤美誠(155・5点)
〈8〉芝田沙季(137点)