昨年3位に甘んじた静岡聖光学院が、東海大静岡翔洋との決勝を61-12の大勝で制した。

4年ぶり10度目の優勝。王座を奪還し、1月の県新人に続く2冠を達成した。両校は東海総体(来月17日開幕、浜松市)に出場し、静岡聖光学院が各県1位校で争うAブロックに、東海大静岡翔洋が同2位校のBブロックに出場する。3位決定戦では、浜松工が清水南を36-22で下した。【倉橋徹也】

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静岡聖光学院が、3年連続の王座を狙う相手を圧倒的な攻撃力でねじ伏せた。前半3分、敵陣左中間のゴール前ラックから右展開して先制。4分後にトライ(T)を奪われ失点するも、その後3T。後半5分には主将のフランカー藤田武蔵(3年)が左中間に飛び込み、この日2T目。チームで相手を押し込み続けて守備を乱れさせ、さらに4Tを奪った。藤田武は「チームで大量得点できたのは良かった」と、攻撃中心だった練習成果を発揮できたことに胸を張った。

本年度の高校日本代表候補第1次メンバーに選出されたFB小野沢謙真(3年)も1Tを挙げた。キッカーを任され、T以上に貢献。コンバージョンキック全9本のうち、後半で左ポスト直撃の1本以外すべて成功させた。しかし「すべて決めきりたかった。競った試合では2点が大事になる」。チームとしても序盤と終盤に失点したことを挙げ「改善点。目標に届いていない」と反省した。

終わってみれば昨冬の花園出場校に許したTは2本だけ。松山吾朗監督(46)は「前半15分までの相手の守備力は想定以上に強かった」と振り返り、「そこを克服できたのが勝因」と続けた。ただチームは、まだ攻撃だけを練習中。指揮官は「目指すところは花園」と話し、守備やキックプレーはこれから着手するとした。まずは相手レベルが上がる東海総体で「攻撃力がどれぐらい通用するか試したい」と先を見据えた。

 

○…東海大静岡翔洋は3位だった1月の県新人戦後に取り組んできた守備を突破された。序盤こそ失点後、すぐに7-7と挽回。ただその後の攻撃で相手守備を破れず、守備では相手の猛攻に屈した。津高宏行監督(39)は「試合の中でできたこともあれば、できていなかったところもあった。結果的にすべて足らなかった」と振り返った。東海総体に向けては「体を張ったファイトやどう接戦に持ち込むかを見直したい」とした。