開志国際が接戦を制し、4年ぶり2度目の優勝を決めた。新潟第一との決勝は1-1の内容勝ち。先鋒(せんぽう)の出口成羅(2年)が引き分けて迎えた中堅戦で余嶋樹(同)が相手指導3回の反則勝ち。大将の藤川称希(3年)が指導を2回受けたが、優勢負けでかろうじて逃げ切った。

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大倉太総監督(55)がメガネを取って両目を拭った。選手に無理を強いてきただけに喜びは格別だった。メンバーを増量させて試合に臨んでいた。ただ1人の3年生、大将の藤川は昨年の個人戦63キロ級で優勝していたが、今回は2階級アップの78キロ級で個人エントリー。大倉総監督は「みんなで北海道(全国総体開催地)に行こう。減量なしで戦おう、と涙ながらに説得した」と言う。その効果は決勝で小差の内容勝ちに表れた。

現チームがどうしても勝てなかった相手が新潟第一だった。BSN杯(昨年11月)、全国選手権予選(1月)、地区大会決(5月)はすべて決勝で敗退。男子は学校で練習も、女子は県外遠征を多く取り入れ強化してきた。ゴールデンウイークは山形・羽黒高に遠征。県外選手と対しながら、想定していたのは新潟第一だった。椿龍憧監督(31)は「ビデオを何回も繰り返して見ながら相手のクセ。嫌う組み手、得意な組み手を研究した」と言う。地道な努力が4年ぶり優勝で結実した。

4年ぶりだけにメンバーにとって全国総体団体戦は初。藤川は「みんながつないでくれたバトンを無駄にしたくなかった」とチーム力を強調した。昨年の個人で全国総体は経験済みだが、団体出場の喜びの大きさはひと味違う。「これがラストだった。全国もラストだから悔いを残さない」と力強く言った。【涌井幹雄】