体操の世界選手権(9月、ベルギー)代表最終選考会を兼ねた全日本種目別選手権は10日に代々木第一体育館で開幕し、男子は残り2枠、女子は残り1枠の切符を争う。

9日は公式練習があり、男子で21年世界選手権の床運動銀メダリストの南一輝(23=エムズスポーツクラブ)が同種目5連覇での2大会ぶりの代表切符へ、「誰よりも練習してるので、やっぱ、負けたくないなっていうのは、多分、誰よりも強い」と決意をたぎらせた。

用意した構成は、難度を示すDスコアが予選は6・8、決勝は7・0か7・2。「7・0をやってる人はいないと思う」と現時点でも、現行ルールで世界最高難度を携えるが、さらに上をみやる。「同じ演技をする、見せても、見てる人も楽しくないかなと思う。自分も守りに入るんじゃなくて、床のスペシャリストとして攻めて、守りに入らず、優勝する方がかっこいいなと思ってる」。ゴシマ(前方伸身宙返り3回半ひねり)などを用意している。

世界代表には、今大会と4月の全日本選手権、5月のNHK杯の成績を踏まえ、代表5人で団体総合のチームを組んだ場合に貢献度の高い選手が選ばれる。圧倒的実力の床運動と、「どっちかというと、代表に入るためには大事」と考える跳馬で、条件を満たしにいく。

NHK杯では、拠点の仙台大の練習器具に“穴”があると明かしていた。反発材の劣化を穴のように感じるための比喩だが、世界代表になった場合に買い替えを希望していた。この日、「原因は自分にあるってすごい言われました。やりすぎって」と苦笑。床運動の強豪選手が多い同大でも、ここまでのマットの問題はなかったと聞かされた。

「練習強度を下げるわけにもいかないので、まあほどほどにやりつつ、頑張ろうかな。変えてもらえるのが一番ありがたいなあ」。まずは5連覇と世界切符をつかんで、説得材料とする。