22年北京オリンピック(五輪)銀メダルの鍵山優真(20=オリエンタルバイオ/中京大)が、シニア合宿で笑みをはじけさせた。
「久しぶりに合宿でみんなと集まることができて、すごくモチベーションも上がっています」
氷上練習が始まる前から、輪の中心には鍵山がいた。リンクサイドでの縄跳び。友野一希(25=上野芝スケートクラブ)や山本草太(23=中京大)らと談笑しながら、にこやかに体を温めた。リンクインすると、先頭を滑走し、報道陣やカメラマンへ自らあいさつ。明るい声を響かせた。
昨季は左足首の故障の影響もあり、全日本選手権のみの出場にとどまった。その後2カ月はリンクも離れた。だからこそ、この合宿は滑ることができる喜びをかみしめている。
「少しずつ良くなってきている実感があります。明日もありますけど、この3日間、すごく充実しているなってすごく感じています」
今季はショートプログラム(SP)の「ビリーバー」、フリーの「Rain, In Your Black Eyes」をともに継続するが、そこに細やかな変化を加えていく。
「(SPは)曲を聞くと、ずっと力強い感じではないので、脱力感も意識しながらメリハリをつけるプログラムにしていきます。フリーはより良くするために、いろいろな美しいポーズ、音の1つ1つをとらえています」
4カ月後の11月には、グランプリ(GP)シリーズ第3戦フランス杯(3~5日、アンジェ)、第6戦NHK杯(24~26日、大阪)への出場を予定している。
「今季は焦らずに。グランプリの前にも何戦か試合があるので、そこでプログラムの手応えを感じて、GPあたりで4回転を何種類か入れて、前の状態へ近づけていけたらいいなと思います」
6月中旬に成功させ、特訓中の4回転フリップも、仲間の前では熱が入る。
「やっぱりみんなと集まれて、すごく気も高まっているので。今日は降りることができなかったですけど、だいぶ手応えを感じています」
戦友との時間を経て、自分のペースで進んでいく。