ラグビー日本代表(世界ランク12位)は5日午後7時15分、東京・秩父宮ラグビー場でフィジー(同10位)とのテストマッチ「リポビタンDチャレンジカップ2023パシフィックネーションズシリーズ」に臨む。

3日はメンバーを発表。日本代表候補として活動してきたフランカー下川甲嗣(かんじ、24=東京サントリーサンゴリアス)が、控えで23年初めてのメンバー入りした。

主力ロックのワーナー・ディアンズ(21=東芝ブレイブルーパス東京)が負傷で国内全5試合未出場となる一方、19年W杯日本代表フランカーのピーター・ラブスカフニ(34=クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)が故障から先発復帰。15日のW杯フランス大会メンバー発表を前に、最後のアピールの場となる。

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下川に千載一遇のチャンスが巡ってきた。

この日打ち上げた宮崎合宿でアピールを続け、ようやくつかんだ背番号19。ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は「存在をアピールしてほしい。強さを評価している」と23年代表初起用を見込んだ。

福岡出身の下川は修猷館高から早稲田大に進学。3年時に全国大学選手権優勝に貢献し、21年春のサントリー(現東京SG)入団直後から出番を得た。昨秋のニュージーランド戦で代表初キャップをつかみ「ラグビーを始めた頃からの夢」と国を背負う強い覚悟を持つ。

W杯メンバー発表前最後の実戦となるフィジー戦に向けては、ロックで身長201センチのディアンズが練習中に足首を負傷。ジョセフHCは「復帰まで2~3週間」と説明し、ロックのヘルが肩、NO8タタフが手を痛めているという。

フランカーのリーチは先月22日サモア戦で受けたレッドカードで出場停止。7月に猛アピールしたフランカー福井は、ほほの骨にヒビが入り、大事を取っているという。

実績があり、離脱中の面々に対し、FW第3列とロックをこなす下川に残された時間は少ない。「今週もタフだが、いい結果を出したい」。そう誓ったジョセフHCへ、形勢逆転のインパクトを残す。【松本航】

◆下川甲嗣(しもかわ・かんじ)1999年(平11)1月17日、福岡市生まれ。兄の影響で4歳からラグビーを始め、修猷館高から早大。3年時にフィジー戦に先発する1学年上のSH斎藤、1学年下のCTB長田らと大学日本一。22-23年シーズンは東京SGで13試合に出場。日本代表1キャップ。趣味はプロ野球・ソフトバンクの応援。188センチ、105キロ。