2022年北京オリンピック(五輪)銀メダルの鍵山優真(20=オリエンタルバイオ/中京大)が、229日ぶりに実戦復帰した。ショートプログラム(SP)に臨み、70・98点で4位となった。

昨年末の全日本選手権以来の試合。昨季に続くSP曲「Believer」に乗せて滑り出したが、冒頭の4回転サルコーで転倒した。「6分間(練習)でアクセルを失敗したあたりから焦っていたのかな」。ルッツ-トーループの連続3回転ジャンプこそ着氷させたが、3本目の3回転半(トリプルアクセル)も転倒となった。

ミスもあったが、下を向くことはなかった。「1日1日充実して、この8カ月間を経て、今の元気な自分がいる。こうやって予定している試合に出られていることはすごくうれしいですし、だからこそ頑張りたい気持ちもある」。時折笑顔を浮かべながら、左足首の負傷からの復帰途上を見つめた。

試合へ出られない期間中は、上半身の体幹やジャンプを跳び上がる時のバネを鍛え直した。体脂肪を減らし、筋肉を増強。周囲からは「筋肉ついたね」と声をかけられる。「自分に必要な体づくりをしてきたので、コンディションの不安は一切ないです」。厚みを増した肩回りに触れながら、明るい声を弾ませた。

翌12日にはフリーへ臨む。恐れることなく、リンクに立つ。

「今日の反省を生かして、サルコーもアクセルも慎重にならずに思い切りやるのが目標。あとは4回転サルコーのほかに(4回転)トーループも久しぶりにやってみようかなと思っている。初戦なので、何も考えずに思い切って100%を出していきたい」

氷に乗らなかった日々に積み上げてきたことを、1つずつ表現していく。【藤塚大輔】