新潟県ボクシング界の次世代ホープ、板垣黎洸(れいら=五泉北中3年、五泉ジム)がジュニア世代のトップに立った。8月の全日本UJ(アンダージュニア)ボクシング王座決定戦(8月、大阪)の中学男子60キロ級で優勝。プロの世界王者の夢に向かって、踏み出した。

圧勝だった。全日本UJは東日本、西日本の上位選手が選抜されて出場する王座決定戦。板垣は1回戦は2回32秒、決勝は3回32秒と2試合ともRSC勝ちした。「相打ちでもいいから打ち合おうと思った」と振り返る。左右の連打、離れ際の右ストレートと得意の接近戦を展開した。身長161センチと小柄だが、五泉ジムの滝沢賢東会長(50)は「パンチ力は今の時点で、高校に入っても上位」と高く評価する。

全日本王座に就き、中学の公式戦を終えても板垣の日常はそれまでと変わらない。週4日の五泉ジムでの練習。週1回は同ジムの滝沢会長とのマンツーマンのトレーニングを続ける。「将来の目標はプロの世界王者」と力強い。憧れは元世界ヘビー級王者のマイク・タイソン。タイソンの試合のビデオで学んだインファイトの攻防を、高校のボクシング界で生かすつもりだ。「高校、大学で優勝してプロに行きたい」と将来の道筋を描く。【斎藤慎一郎】

 

◆板垣黎洸(いたがき・れいら)2008年(平20)5月13日生まれ、新潟・五泉市出身。巣本小3年からボクシングを始める。五泉北中1年時に東日本UJ北信越代表決定戦57キロ級で準優勝。今年3月の全日本UJフレッシュ大会男子60キロ級で優勝した。好きなボクサーは元世界ヘビー級王者マイク・タイソン。161センチ、普段は63キロ。