どん底からはい上がり、パリ切符をつかみ取った。男子日本代表(世界ランキング4位)が、スロベニア(同7位)にストレート勝ちし、2大会連続の五輪出場を決めた。セットカウント3-0勝利のみがこの日の切符獲得条件だったが、その大一番で一気につかんだ。本番1年前の出場権は92年バルセロナ五輪以来、32年ぶり。第2戦エジプト戦での敗戦を糧に成長を遂げた日本が、その「強さ」を証明した。

◇  ◇  ◇

アウトサイドヒッター高橋藍(22=モンツァ)が、チーム2位タイの13得点を挙げて躍動した。第3Sには2本のサービスエースをマーク。「しっかりとブレークを取る。ここで流れを持ってくるという強い気持ちでサーブを打ちました」と胸を張った。エジプト戦での敗戦から切り替え4連勝。「気持ちの強さと日本の強さを見せられたのかなと思います」とうなずいた。

試合後の高橋藍の主な一問一答

-大事な場面でサービスエース

「自分の中で今日の1、2S目であったり、少しミスが出てしまう場面があって。このスロベニア戦までは非常にいい形でバレーボールができていたところが、ちょっと自分の中で最初はかみ合わずに。(ただ)コンディションはすごく良くて、感覚もすごく良かったんですけど、少しかみ合ってない部分があったので、そこはちょっと自分の中でストレスを感じてました。でもやっぱり3セット目、チーム全員で勝ち取るものなので、サーブでしっかりとブレイクをとる、ここで流れを持ってくるっていう、強い気持ちを持ってサーブを打ちました」

-第1セット、第2セットは苦しい場面もあったがチームの中で声かけは

「もう全員でやろうってところで。ここまで来れば、それぞれの選手がカバーし合って1点を取っていきますし、あとはディフェンスだったり、良いものを見失わず、今できていることをしっかりやって、1点ずつ取っていこうってところでコミュニケーションは常にとってました」

-エジプト戦で負けた後に「これからも楽しみ」っていう言葉があった。今日までずっと楽しめたか

「そうですね。自分自身はもう楽しんでやることが全てなので。今日の最初のかみ合わない部分でも、自分自身は楽しんでましたし、この試合の中でさらに成長できる自分がいるなってところを感じながらやってたので。もちろん、チームとして、エジプトに負けましたけど、でもやっぱり、あの状況から勝つってところしか自分自身は考えてなかった。そこから3-0でここまで来れたので、気持ちの強さと日本の強さを見せれたのかなと思います」

-苦しい時でも楽しめる要素とはどういうところ

「それが自分自身の成長材料ってところは常に頭に置いてますし、苦しい状況こそ自分が強くなるので。苦しい状況が来た時ほど、自分は楽しんで、強くなる自分がいるってところを信じてやってます」