【重慶(中国)9日=松本航】フィギュアスケート男子の友野一希(25=上野芝スケートクラブ)が、プロ野球で38年ぶりの日本一に輝いた阪神タイガースから活力を得た。

グランプリ(GP)シリーズ第4戦中国杯に向け、本番会場で前日調整。フリー曲をかけての通しでは、4回転ジャンプ全3本をこらえながらもそろえ「ありえないぐらいレベルが高い。それだけ男子のレベルが上がってきて『良かったな』と思いますし、楽しい試合になる」。世界選手権2連覇中の宇野昌磨(トヨタ自動車)、前週のGP第3戦フランス杯優勝のアダム・シャオイムファ(フランス)、昨季GPファイナル2位の山本草太(中京大)らとの競演を待ちわびた。

大阪・堺市の出身。大会前には幼少期から大ファンだった阪神が、日本一に輝いた。異国の地で質問されると「待っていました!」と笑わせ、こう続けた。

「本当に毎日…ちょっとつらかったですね。毎日見るのが本当に。いい試合が続くと、いつもは結構冷静な感じで見ているつもりなんですけれど、スケート見るぐらい緊張しました。第7戦、ノイジーの時にチャンスだったので、車を1度止めて見て…。1人で『わ~っ!』と叫びました。周りの反応を見ていたら、隣の車とかも多分、阪神(の試合)をつけていた。ノイジー選手は神様でした」

パワーを充電し、迎える初めてのGP中国杯。自らもいい流れに乗っていく。