島田高志郎(22=木下グループ)が3日間の休養を経て、今季GP2戦目に挑む。

GPシリーズ第5戦フィンランド大会が17日、同国エスポーで開幕するのを前に前日の公式練習に臨んだ。今月上旬のフランス杯前には足首を捻挫し、同大会は合計217・18点で10位。 その大会のフリー直後にステファン・ランビエル・コーチから「水曜までは滑らないでおこう」との言葉があり、閉幕後の3日間は休養にあてた。「休む勇気」を振り絞った。

「僕が日本にいた頃は週1のオフをとろうものなら、感覚がちょっと狂ってしまうと。そういった不安がどうしても生まれてしまう。これは自分の性格上、そうなのかもしれませんが、海外へ移ってからはそれはなくなったんですけど、やっぱり3日間は戻すのに時間がいるなと。そこは怖さと不安があって、『休む勇気』という言葉につながりました」

当初は「思ったよりも良くないぞ」との感覚も抱き、着氷を耐えたり、腰が引けた転倒を繰り返したりしていたが、日を追うごとに状態も回復傾向。この日は4回転サルコーで転倒する場面もあったが、トリプルアクセル(3回転半)-3回転サルコーの連続ジャンプなどは危なげなく着氷させ、終始明るい表情で汗を流した。

「100%の自信をもって臨むことはできていないんですけど、かなり状態が良くなって、完治とはいかないですけど、試合に出られるくらいにはなったとステファン・コーチとも話し合いました。来たからには全力で頑張りたいです」

フランス杯の前には、同じくステファン・コーチが指導する宇野昌磨(トヨタ自動車)から「無理をするなよ」と連絡も受けた。「チームメート」の存在も支えとなっている。「距離は離れていますが、チームメートとして連絡を取り合っています。(中国杯では)昌磨くん自身も多分すごく満足していて、昌磨くん自身が幸せなのが何よりです」。島田は宇野をはじめとした1人1人のスケーターへ想像を巡らせながら、自身を奮い立たせる。

「個人スポーツなので、1人1人が自分に集中することにはなるんですが、他の選手がこんなに頑張っているから、自分も頑張らなきゃとなります」

今のベストをフィンランドで表現する。【エスポー(フィンランド)=藤塚大輔】