【北京=藤塚大輔】2年連続2度目の出場となる三浦佳生(18=オリエンタルバイオ/目黒日大高)は前日練習を終えると、「『なめんなよ』と」とあえて強気に言った。

「先輩だろうとなんだろうとも関係なく、自分は。現状、自分が立場的に下ですし、全然みんなより実力が下なの分かってるんですけど、ただその中でやっぱりなめられたくないな、っていうのあります」。18歳は自らを奮い立たせるように言い放った。

シリーズ6戦の成績による、世界のトップ6選手による対決。報道などを見ていると、宇野、鍵山、シャオイムファ、マリニンでのくくり方を感じた。「4人で注目されがち。選手の発言とかを見てても、4人で刺激し合って頑張りたいとか、まあ完全に忘れられてるなと」。卑屈になっているのではない。むしろ、それをカンフル材料にしたいからこそ、気持ちを包み隠さない。「みんなの中で多分僕はもう眼中にないので、この大会で爪痕1個でも残せたらいいな、って思ってます」とぎらつく。

実際、初出場だった昨年とは心境も全く違う。「去年は会場の雰囲気とかにものまれましたし。どこかで弱気になってた自分がいたので。そういったマイナスな感情があったっていうのが、失敗の要因の1つ」。SP終わって3位も、フリーでは失敗が続き6位、合計でも5位に終わった。大いに反省し、「前向きでいますし、今から試合がすごい楽しみ。追われる立場より、追う立場の方が楽」と攻めの気持ちが強い。

SPは7日に行われる。「負けたくない」。たぎる若武者が下克上に挑む。