「能代科技」らしさを全国にアピールする。全国高校バスケットボール選手権(ウインターカップ=WC)が23日、東京体育館ほかで開幕する。男子の能代科学技術(秋田)は、能代工時代の20年から初戦敗退が続いており、初戦の1回戦で土浦日大(茨城)から「統合後初勝利」を狙う。中野珠斗(しゅうと)主将(3年)が躍動し、勝利を渇望するチームをまとめる。

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能代工と能代西の統合から3年目の冬。能代科学技術として、新たな歴史を刻む3度目のチャンスがやってくる。6年連続52度目出場となるWCに向け、中野は「どこからでも点が取れること、能代工業から伝統のディフェンスから速攻は売り。今まで勝てなかった先輩の分も背負ってやりたい」と意気込みを語った。

入学前から校名が変わることは知っていたが「近くの2つの高校が統合しただけだと思ったので、バスケ自体は変わらない」と能代にやってきた。同時に小松元監督(50)が就任し、能代工時代にあった厳しい“部内ルール”は撤廃され、チームの雰囲気は徐々に変化。新たに「能代科技」らしさも生まれた。中野は「自分たちは試合中に笑顔、前向きな表情を出す。先輩と後輩の仲が良く、楽しくバスケをする」と強調した。

城南中3年時は、U-19日本代表の羽黒・小川瑛次郎(3年)らとともに、初開催のジュニアWCで優勝に輝いた。「小学校から瑛次郎と一緒なので、高校で離れることは悲しかった。(小川が)代表に選ばれてうれしいけど、ちょっと悔しさもある。ライバル意識を持って頑張りたい」と刺激を受けている。対戦相手の土浦日大について、小松監督は「スケールが大きい。リバウンドから速攻を得意にして、サイズもあるので一回り二回り上」と警戒。1年生の時から指導してきた選手たちと一戦必勝で臨む。

「全国のチームとやり合えるような気持ちができていると思うので、それを40分の中でどう発揮するか。自分にボールが回ってくる時間、ディフェンスをする時間などに全てを研ぎ澄まし、集中してやってほしい」

寒さが増してきた能代、秋田を温かくする、うれしい初勝利をつかみ取る。【相沢孔志】

▽能代科学技術・山本威吹(いぶき、3年=茨城出身で初戦が故郷の土浦日大)「知り合いも多く、うれしい気持ちや勝ちたい気持ちで複雑。WCは3年間結果を残せていないので、自分は得意の3ポイントで(勝利に)貢献できたら」