2大会連続準優勝のデンソー・アイリスが、悲願の初優勝を遂げた。11連覇を狙ったENEOSサンフラワーズを決勝で破った。

歓喜の瞬間が、ついに訪れた。デンソーの大量リードで迎えた最終盤。初優勝を告げるホイッスルが響くと、ベンチで見守っていたエースの高田真希(34)は、馬瓜エブリンらと抱き合って喜んだ。コート上のインタビューでは「やりました!」と絶叫。直近2大会を含め、過去12年で準優勝7回。10連覇中だったENEOSの壁に何度もはね返されてきた。その厚い壁をついに破った。

この日も堅守が光った。「ボールを持つ選手に対してしっかりプレッシャーをかけられた」(高田)。複数用意された守り方を、コート上でコミュニケーションを取りながら随時選択。「精度高くできた」と胸を張った。43失点に抑えた準々決勝のトヨタ紡織戦、63失点だった準決勝の富士通戦に続き、準決勝で100点ゲームを記録した女王ENEOSの攻撃も封じ込んだ。

愛知の名門・桜花学園高からデンソーに加入して16年目。「このまま優勝できずに終わるかなと思ったことは何度もあった」。それでも主将として銀メダルを獲得した21年東京五輪を経験したことで、結果に至るまでの「過程」の大切さを改めて実感したという。「コツコツ頑張れば、いつか花咲く。過程を積み重ねていくことに意味あるのかな」と実感を込めた。【奥岡幹浩】