全国高校バスケットボール選手権(ウインターカップ)が23日、東京体育館などで幕を開ける。昨年ベスト4入りした静岡県勢男子1位の藤枝明誠が、2年連続8度目の出場を果たす。チーム目標に「全国制覇」をブレることなく掲げ、まずは1回戦の鳥羽(京都3位)撃破を狙う。

 

いざ悲願の日本一へ-。昨年準決勝では、優勝した開志国際(今大会新潟1位、第1シード)に最終クオーター残り17秒で76-76と追いつかれ、逆転負けした。その悔しさを胸に、今大会で頂点を目指す。順調に勝ち進めば、連覇を狙う昨年王者と準々決勝で対する。日本一となるために避けて通れない道。金本鷹(よう)監督(33)は「そこがヤマ場」と話し、チームの最終仕上げに取り組んできた。昨年よりも守備強度が上がっているといい、指揮官は「流れの悪い時こそ我慢してやれるか」とキーポイントを挙げた。

今夏の全国総体は8強止まりだった。中外自在に得点を積み上げるエースのSG赤間賢人(3年)は「悔しかった」。来春には東海大へ進学する。最後の大会で日本一に向け、「個人的にシュートタッチがいい。速攻での3点シュートの確率が上がっている」と手ごたえを口にした。

関西学院大に進学する主将のSG小沢朋樹(3年)も「相手がどこであろうと目の前の試合に全力で臨む」と意気込む。この1カ月間、「タイトにプレッシャーをかけることに力を入れてきた」。チーム一丸となり、40分間暴れまわる。

チームは本年度、全国の強豪がしのぎを削るU-18トップリーグ戦に出場した。直前に大黒柱の209センチセンター、ボヌ・ロードプリンス・チノンソ(2年)が負傷。ビッグマン抜きでの戦いを強いられたが、学んだことも多い。「1人1人が強豪相手に泥くさいプレーをできたのは収穫」と小沢。ゴール下守護神の復帰で万全の体制が整った。県勢初となる全国王座奪取に挑む戦いが、始まる。【倉橋徹也】