“オオタニサン”にもヒントがある? 9年ぶりにラグビー日本代表ヘッドコーチ(HC)へ復帰したエディー・ジョーンズHC(63)が15日、都内で代表強化プランを説明した。

世界一速い“超速ラグビー”を掲げ、実現した先に「世界一になれないことはない」と断言。米大リーグ・ドジャース大谷翔平投手(29)の名も挙げながら、世界で成功する他競技に学ぶ姿勢を示した。“超速”に行き着く複数の具体例を示し、27年W杯オーストラリア大会への強化策に言及した。

元日の代表HC復帰から半月。スーツ姿のジョーンズHCが熱く語りかけた。「ビッグプロジェクトだ。世界一速いラグビーに焦点を当て、本当に100%集中して取り組めば、世界一になれないことはない」。2度のW杯準優勝経験を持つ名将だが、自身も学びに貪欲な姿勢は変わらない。

◆他競技に学ぶ

15年W杯イングランド大会で日本を率い、南アフリカ戦で歴史的初勝利。以降はイングランド、オーストラリア代表監督を務めたが「日本代表の指導は独特」という。日本文化を深く知る指揮官は「大谷さんをレンタルできたら、いいNO8になる。無料でね」と笑わせると、刺激を欲した。

「日本代表監督で成功している人たちとつながっていく。秘訣(ひけつ)を聞きたい。(特に)バスケットと野球かなと思います」

◆目を使う

すでに“超速ラグビー”実現のプランを持つ。ニュートンの「運動の第2法則」を引き合いに「勢い=質量×速度」と説いた。質量は個人であり、チーム。速度を出す、最も重要な鍵は「目」という。前列の記者の前に歩み寄ると「人間が動物界のトップ。例えばゴリラ。ゴリラ同士では目を見ても、何を考えているか分からない」と切り出した。年末から高校、大学、リーグワンまで視察し、気づいたことがあったという。

「下を見ている選手が、あまりにも多すぎる。世界の中で本当にいい決断をしている選手は目を通して動きを見て、決断できる。AIも使いながら鍛えたい」

◆痛みを好きになる

9年前からぶれないのは、体が自然と動くまで鍛え上げる練習だ。データはボールが動く平均時間を30秒と示しており「スピードを反復できるか」を求める。

「例えばスクラム後、速く走る。繰り返し走る。痛みを好きになる。痛みを乗り越えるところまで、メンタリティーを持っていく」

◆一貫したセレクション

今後は自身も高校やU20(20歳以下)日本代表合宿に足を運ぶ。今年の代表活動から「1人入れようかな」と大学生以下の招集を検討。“超速”を掲げる日本のスタイルを浸透させる。

「一定レベルに行って満足し、椅子の後方に腰かける選手は、私たちのチームで役に立たない。常に前方に座る選手を見つけたい」

1時間の所信表明で頂への道を示した。【松本航】