日本卓球協会は5日に都内で7月開幕のパリ五輪(オリンピック)男女日本代表候補予定選手を発表し、団体戦要員となる女子の3枠目に張本美和(15=木下グループ)が選出された。

五輪シングルス代表選考レース3番手だった伊藤美誠(23=スターツ)の3大会連続出場はならなかった。

五輪切符をめぐっては、約2年に及ぶ日本独自のシングルス代表選考レースを実施。1番手の早田ひな(日本生命)、2番手の平野美宇(木下グループ)がシングルスの代表切符をつかんでいた。団体戦要員となる3枠目は日本協会の選考基準に「(シングルス代表候補予定選手と)とダブルスが組め、団体戦でシングルスおよびダブルスにて活躍が期待できる選手1名を強化本部が決定する」と記されている。

男子の張本智和(智和企画)の妹としても知られる美和は、昨秋の第6回選考会では早田を下して優勝し、先月の全日本選手権でも準優勝とアピール。前日4日には「結構ドキドキ。待つしかないです」と素直な心境を明かしていた。

21年東京五輪シングルス銅メダルの伊藤は、パリでの同種目金メダルを目標に進んできた。全日本選手権6回戦敗退でシングルス代表を逃した直後には「(五輪)団体戦に選出されても、出るかどうかははっきり決まっていない。まずはどこまでやるかをしっかり考えて。昔からの目標で『いいところでやめたい』というのが一番なので『これで終われない』気持ちもあるけれど『終わりたい』という気持ちもあります。でも、いいところで終わりたいから、もうちょっと頑張ります」と思いを口にしていた。

日本は16日に始まる世界選手権団体戦(韓国・釜山)の8強入りで、五輪団体戦出場枠(3枠=シングルス代表2枠を含む)が確定する。

 

▽女子・渡辺監督「女子については早田選手、平野選手、団体候補選手として張本選手。女子はハイレベルの中の競争。まだ年次も若い。特に平野選手は前回の五輪も経験している。1人経験者もいる。3人力を合わせて、金メダルを獲得したい。(張本美和については)やはり選考基準でうたっているようにダブルスが組めて、シングルスもダブルスも。ふさわしいと思って選出した。パリ五輪は海外の選手と戦う。昨年1年間、国際大会に帯同して、戦いぶり、戦績などを総合的にみながら、今回は張本美和選手が一番ふさわしいと思って選出しました」

「張本選手の場合、伸びしろは卓球界の逸材。15歳であのようなプレーができて、本当にすごい選手と感心している。伸びしろとしてはパリまで数カ月ある。すごく期待している。伊藤選手については本当に素晴らしい選手と思っている。(五輪)2大会に出ていて、今回は残念ながら漏れたんですが、日本卓球界の宝。今回は残念ですし、心身共に盛り上げるために休養が必要なのか、すぐにアクセルを踏むのかは本人次第ですが、さらに磨きをかけて出てくるであろうと思っている。今後も見守っていきたい」