「パープルタウン」が歓喜に沸いた。東地区5位福島ファイヤーボンズが、今季最後の郡山開催ホーム戦に臨み、西地区5位静岡に98-93で勝利。多田武史(26)が3点シュート(3P)6本を含むチーム最多22得点をマークし、宝来屋郡山総合体育館の改修前最後の試合を白星で締めた。次節は24、25日、アウェーで山形と対戦する。

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2945人と今季2番目のブースターが詰めかけたホームで、炎の男たちが意地を見せた。15点を追う第3クオーター(Q)序盤に反撃開始。多田の連続3Pを含む6連続得点で一時は2点差とし、6点差で第4Qへ。90-90と同点に追いついて1度は勝ち越されたものの、3点を追う同Q残り1分に多田が同点3P。さらに加藤嵩都(24)の2点シュートで95-93と、この日初めてのリードを奪い、同26秒、多田がコーナーからダメ押しの3Pを決め、劇的勝利を呼び込んだ。

勝たないといけない試合だった。会場の宝来屋郡山総合体育館は3月から1年間、改修工事のため休館する。郡山市出身の栗原貴宏ヘッドコーチ(36)は「小中高と大きい大会があるとここを使い、今はプロとして帰ってきた。しっかりと勝てたことは良かったし、ホッとしている」と振り返った。79-88で敗れた第1戦の前日17日、在籍2季目のグレゴリー・エチェニケ(33)は「この体育館がとても好きで少し残念。絶対に勝って勝利を皆さんに届けたい」と意気込み、チーム最多の22得点で引っ張った。

これまで3戦全敗の静岡に、試合のほとんどをリードされたが、ブースターの後押しを受け、ホームの連敗を「3」で止めた。多田は「長い歴史がある中で最後の終わり方は絶対大事だと思うので、その試合を勝ち切れたのは、福島がこれから変わるためにも大きな1勝だったと思う」と白星締めに力を込めた。残り19試合でシーズン終盤。プレーオフ圏内の東地区3位青森までは5勝差だ。一丸でつかんだ1勝を浮上のきっかけにする。【相沢孔志】