アジア最高峰の自動車レースに史上最年少、日本人女性として初出走したJuju(本名・野田樹潤、18=TGMグランプリ)がデビュー戦の決勝に臨み、17位で完走した。出走全21台中2台がリタイアしており、完走扱いとなったドライバーの中では最後尾から3番目でゴールした。

Jujuは21台中19番手でスタート。最初のコーナーでコースアウトしたかと思われたが、なんとかコースに復帰した。2周目に2台がリタイアし、6周目を迎えるまでセーフティカーが導入された。Jujuは中盤にピットイン。その後、マシントラブルの影響でペースダウンした2台の前に出る形となり、ゴールまで無事走り抜いた。ゴール後はドライバー席から手を振って歓声に応えた。

前日のフリー走行や予選ではいずれもトップから4秒以上遅れていたが、この日のフリー走行では約2・5秒差に縮めていた。

雨の影響で長い走行距離の練習ができず、「ぶっつけ本番でロングラン」となる決勝を迎えた。「難しいチャレンジになるのかなと思うけれど、それも含めて1つ1つ経験していって、楽しんでレースをしたい」と意気込み、「まずは完走」と口にしていた。その目標をしっかりクリアした。

父は元F1レーサーの野田英樹氏。14歳から欧州のレースで経験を積み、昨年は若手の登竜門として知られるユーロ・フォーミュラ・オープンを優勝。イタリアの国際F3規格のシリーズでは、女性選手として初の年間チャンピオンに輝いた。

全日本SFは年間9戦で争われ、次戦は5月にオートポリス(大分)で開催される。Jujuは今春に東京・日体大桜華高を卒業し、日大に進学する。女子高生として最後のレースを終え、大学生としてさらに成長を加速させていく。【奥岡幹浩】

◆スーパーフォーミュラ フォーミュラカー(オープンホイール=タイヤがむき出しになったレース車両)レースの国内最高カテゴリー。73年にスタートした全日本F2000選手権を前身とし、全日本F2選手権、全日本F3000選手権、全日本選手権フォーミュラ・ニッポンを経て16年から現在の全日本スーパーフォーミュラ選手権になった。F1フル参戦を果たした中嶋悟や鈴木亜久里、片山右京らはこの国内最高峰レースで活躍し、F1へと羽ばたいた。各チームが独自に車両を設計・製造するF1と異なり、単一メーカーの車両(現在はダラーラ社製)を使用する。

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