【モントリオール=阿部健吾】今季のグランプリ(GP)ファイナル銅メダリストで初代表の吉田陽菜(18=木下アカデミー)は、SP64・56点で8位発進となった。

「すごいところにいるなって」。その思いに実感がこもる初出場ながら、堂々の滑りを披露した。「ショートが自分の中では結構大事な部分なので、フリーにつながる演技はできたかな」。晴れやかな表情で振り返った。

前日練習で「楽しみな気持ちが大きい」と話していた通り、この日も終始笑顔が絶えなかった。冒頭で予定通りのダブルアクセル(2回転半)を成功させると、続くルッツ-トーループの連続3回転は着氷が乱れながらもこらえた。最後の3回転ループも決め、GPファイナル時を4点近く上回る得点を記録。キス・アンド・クライで得点を確認すると、2人のコーチとうなずき合った。

1月の国民スポーツ大会冬季大会(旧冬季国体)、全国高等学校スケート選手権(インターハイ)で優勝。2月のタリンクホテルズカップで銀メダルを獲得し、調子を上げて今大会に臨んだ。武器の大技トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)はフリーで挑む予定。「楽しみな気持ちが大きい。(トリプルアクセルは)調子もどんどん上がってきている。イメージ通りのジャンプが跳べたので、思い切りいきたい」と話していた。

フリーは22日(同23日)に行われる。飛躍の年となった今季最後の演技に、全てをぶつける。「今シーズン学んだことを全て生かして、高くまで羽ばたいていけたらいいな」と力を込めた。

日本勢の女子では、56年ぶりの3連覇が懸かる坂本花織(23=シスメックス)、初出場の千葉百音(18=木下アカデミー)が出場している。