昨年の世界選手権(福岡)日本代表、広田憩(いこい、20=井村ク)が、ソロTRで初優勝を果たした。技の正確性と豊かな表現力で2位以下に大差をつける圧勝。パリ五輪日本代表が欧州遠征で不在の中、昨年6冠を獲得した姉の樹(いつき)に続いて頂点に立った。

初の日本タイトルに、広田は「うれしいです。やめずに続けてきてよかった」と笑顔をみせた。長い手足が武器になり、身長170センチ近い選手も多い中、ひときわ小柄な150センチ。それでも、運動能力で高さをカバーして高得点をマークした。チームTRでもジャンパーとして貢献。2年ぶりの優勝に導き「今日は、ソロもチームもよかったと思います」と振り返った。

昨年福岡で行われた世界選手権には日本代表として出場もパリ五輪代表からは落選。心身ともに疲れ切って1度は競技を離れることも考えたが、現役続行を決め「たくさんの人の支えがあって、ここまで来られた」と感謝した。

大会前には、昨年のこの大会で引退した姉の樹に「頑張って」と励まされ、水着を借りて演技。「珍しくハグまでされました」と笑った。2種目を制して、残りは5種目。「明日からもがんばります」。昨年姉が果たした6冠を超える全種目制覇を目指して、気合を入れた。

◆ソロ・テクニカルルーティン (1)広田憩(井村ク)244・5033(2)川瀬由華(井村ク)219・6433(3)古谷彩夏(ミキハウス)210・5700

◆チーム・テクニカルルーティン (1)井村クA(川瀬、広田、熊谷、額田、三上、田辺、三橋、松本)249・1617(2)ミキハウス東京ASC(稲富、内田、古谷、相高、市川、日暮、三木、渥美)244・5983(3)アクラブ調布A(鈴木、酒匂、田中、石井、北西、音川、萩原、山鼻)235・1272

〈主催〉日本水泳連盟〈主管〉東京都水泳協会〈後援〉日刊スポーツ新聞社ほか〈特別協賛〉ヤクルト本社〈協力〉鈴乃屋ほか