第59回にして史上初となるスーパーボウル3連覇を狙った「王朝」カンザスシティー・チーフス(AFC)が、フィラデルフィア・イーグルス(NFC)に惨敗し、快挙を阻まれた。NFL史上最高の年俸10年総額500億円を誇るQBパトリック・マホームズ(29)は、信じられない惨敗に号泣した。
全米で人口の3分の2を上回る2億人超が視聴するビッグマッチで、最後までスーパースターが苦しめられた。「王朝」と称されるほど勝ちまくってきたチーフスは、直近6シーズンで5度目のスーパーボウル進出。その司令塔マホームズも20代にして4度目の出場だったが、大乱調だった。優勝した過去3度で全てMVPに輝いた舞台で、今年は悲劇的に封じ込まれた。
攻撃ライン(OL)の崩壊もあり、相手の守備ライン(DL)4枚に、粉砕された。本来、マホームズが華麗に動き回るはずのポケット(QBを守る空間)が破られ、かわすこともできない。リターンTD(タッチダウン)を含む被インターセプト2。被QBサックに至っては、キャリア最悪の6を食らうなど、イーグルス守備陣に圧倒された。
最大34点差もつけられる敗戦。サイドラインで号泣する姿を隠せなかった。2年前に38-35の逆転勝ちを収めていた相手にリベンジされ「今日は最初から最後までイーグルスが素晴らしかった」と認めるしかなかった。
後半、何とか1つTDを返す。スーパーボウル史上初の無得点という不名誉こそ免れたが、前半の獲得ヤードが、わずか「23」という衝撃的な完敗だった。
イーグルスは今季の守備喪失ヤードが最少の堅さも売りだった。リターンTDに、ファンブルでの攻撃権献上も含め、輝かしい経歴に傷がついたマホームズは「ターンオーバーが痛かった。潮目が変わった。あまりにも良いチームだったイーグルスに、あれをしては挽回できない。責任は全て自分にある。ただ、自分のスタンダードなプレーができなかった」と背負い込んだ。
それでも、第4Q終了間際には2TD目のパスを通し、最後も50ヤードのTDパスで意地を見せた。レシーブしたのは新人WRワージーだ。マホームズは試合中、顔を悔しさでゆがめ、天を仰ぐ姿ばかりが目立ったが、未来への希望となるこの時ばかりは人さし指を掲げて喜んだ。
来年は30歳になる。スーパーボウルで敗れたのは21年(9-31、対バッカニアーズ)以来2度目。「いつだってスーパーボウルで負けるのは、今後のキャリアを左右する最悪の気分だ」と振り返りつつ「この2度の敗戦は、自分に残されたキャリアの、さらなるモチベーションになる」と返り咲きを誓った。
また、マホームズとともに「王朝」を築いてきた男も、不発に終わった。米歌手テイラー・スウィフトの恋人で、NFLを代表するTEのトラビス・ケルシーも、わずか3キャッチ。スーパーボウル新記録の通算34レシーブは達成したものの、浮かない表情だった。


