グランプリ(GP)シリーズNHK杯(11月7~9日、大阪)に初出場する垣内珀琉(はる、19=ひょうご西宮FSC)が、ジャンプを跳ばずに演技を終えた。

25・59点で出場14人中14位。男子の西日本選手権(10月31日~11月3日、滋賀)進出枠は17となっている。5日のフリーまで滑り終われば、近畿選手権通過となるため、この先を見据えての苦渋の選択となった。

悪夢に見舞われたのは4日前の9月30日。練習で4回転ルッツ着氷を失敗し、右足首に痛みが走った。剥離骨折の疑いがあり、すぐに病院で診察を受けたところ、診断は捻挫。だが、スケート靴を履くことさえ厳しい腫れがある。

翌10月1日から3日間はスケートをせず、この日の演技前の6分間練習で氷上に立った。複雑な感情を抱いての演技は、ジャンプ、スピンは0点。ステップシークエンスでの1・92点と演技構成点で23・67点を出し、フリーに進んだ。演技後は「今もくるぶしがないぐらい腫れています。まずはけがが悪化しないで、ホッとしました。今はまず我慢。先生とトレーナーさんとしっかり話をして、今は治療に専念しています」と明かした。

見据える先はNHK杯となる。国内選考会、9月上旬の木下グループ杯の結果を踏まえて、GPシリーズデビューが決まっている。発表を経て「NHK杯に出られることがビックリ。うれしさがあって、しっかりとした演技を見せたい思いがありました。今は1日ずつできることをやっていって、NHK杯で元気な姿をお見せできるように頑張りたいです」と地に足をつける。子どものころに高橋大輔さんらの演技を見て憧れた大舞台は、地元関西での開催。懸ける思いは強い。

医師など周囲ともNHK杯から逆算して復帰の段取りをしており、5日のフリー後も1週間ほどは静養する予定という。初々しさのある19歳は「本当だったら跳んだり、もっときれいに踊って、皆さんを喜ばせたい気持ちがあります。今回はそれができなくて悔しい気持ちはありますが、明日も、今日のような形でいきます」と無理をせずに段階を踏んでいく。【松本航】