八田イズムを学生たちにも-。「日本レスリングの父」と呼ばれた八田一朗・日本協会初代会長の胸像除幕式が28日、横浜市の日体大レスリング部合宿所「日体レスリング会館」で行われた。64年東京五輪では、八田氏の陣頭指揮のもと日本は大量5個の金メダルを獲得。この日は、花原勉氏(73)と小幡(旧姓上武)洋次郎(70)の金メダリスト2人が「上だけでなく下の毛も剃られた」「食事のマナーに厳しかった」「トイレでも本を読めと言われた」など、学生たちに八田氏の思い出を披露した。

 胸像は昨年完成した同会館の玄関前に設置。八田氏の長男で米国在住の正朗氏を招き、顔を似せるために製作段階で細かく修正したという。メキシコシティ五輪銀メダルで、元日体大レスリング部長の藤本英男氏(69)は「(東京五輪前に代表が合宿した)青山レスリング会館があれば、胸像もそこにあるべきだ。今はないので、どこかに作らなければという思いで日体大の合宿所に作った。これを見て、若い学生が八田イズムを少しでも理解してくれれば」と話していた。