<卓球:全日本選手権>◇2日日◇19日◇東京体育館◇女子シングルス1回戦

 ダブルで愛ちゃん超えだ!!

 一般女子の部で10歳の「小4コンビ」がともに1回戦を突破し、福原愛の11歳1カ月(小5)の史上最年少勝利記録を11大会ぶりに更新した。伊藤美誠(みま、静岡・豊田町スポーツ少年団)は、19歳の宮城県王者・松田亜由美(東北福祉大1年)に3-1で勝ち、10歳2カ月で達成。平野美宇(みう、ミキハウスJSC)も17歳の市原芹菜(高知・明徳義塾高3年)にストレート勝ちし、10歳9カ月で1勝した。プライベートでも大の仲良しの2人は今日20日、2回戦以降に臨む。

 時間がたつにつれて笑みがこぼれ、喜びが込み上げた。福原の最年少記録を大学生相手に更新した伊藤は「愛ちゃんの記録を塗り替えられて、すごいうれしい」。会見場。足がつかないイスの上で喜んだ。

 午前のジュニア女子2回戦で石川佳純の妹梨良に敗れ、ショックで挑んだ相手は宮城王者の松田(東北福祉大1年)。母美乃りさん(35)の「ジュニアは考えすぎちゃってた。美誠らしくやっておいで」の激励に応えた。24種類もある王子サーブを駆使して全力前進。3-1の完勝に「(相手が)左利きでやりにくかったけど、もうちょい競るかと思った」と笑った。

 両親が卓球選手で、試合に行くといつも卓球台の下に座っていた。そこにあったのはお菓子や塗り絵。それが自分からラケットを持つようになった。2歳。両親も静岡・磐田に自宅を建てる際、1階に卓球台を置くよう設計し直した。本格的に卓球人生が始まった。

 福原は母千代さんの「1000本ラリー」で鍛えられたが、美乃りさんは「いろんな種類やコースを変えながら100本ラリー。それを数回やってきました」。基本と感覚を大事にし、はずまないボールで打たせたこともあったという。時間が来ても、気に入らないと自分からは決してやめなかった練習。福原に劣らない「負けず嫌い」は「ずっとうれしいばっかりじゃダメ。明日に備えて頑張る」と、大人顔負けに切り替えていた。【今村健人】