日本スケート連盟の伊東秀仁フィギュア委員長(52)は3月31日、元世界女王の安藤美姫(25)が来季の強化指定の対象にならないことを明らかにした。都内でのフィギュア委員会後に、「2年間、大会で滑っていない。試合に出ていない選手を強化選手にすることはできない」と説明した。今季の強化指定も辞退している状況。世界選手権優勝などの実績での“優遇措置”は難しく、「まずは大会で滑ってもらいたい」とした。

 来季限りの引退を表明している安藤は、ソチ五輪の選考会となる年末の全日本選手権出場が当面の目標。同大会の予選を兼ねて例年秋に開かれる中部選手権が復帰戦になる見込みだ。

 ソチ五輪の出場資格には最低技術点の設定もあり、来年1月27日までの国際スケート連盟(ISU)公認大会でクリアする必要がある。だが、来季も強化指定から外れれば、日本スケート連盟派遣で公認大会に出場することはできない。

 ソチ五輪へは、中部選手権で成績を残し、強化指定に復帰するのが第一。以降にISU公認大会に出場して最低技術点を超えるのが道筋となりそうだ。【阿部健吾】