フランカーのリーチ・マイケル主将(30=東芝)が、スタンドで試合を見守った両親の前で、2トライの活躍を見せた。

前半開始直後にラインアウトからモールで押し込むと、後半には自陣からつないだボールをもらい、再びインゴールに飛び込んだ。フィジー出身で、地元の村から約50人の大応援団を率いて駆けつけた母イヴァさんに勝利を届けると、父コリンさんに「ナイスゲーム」と言葉をかけられ、表情を緩めた。

3月に発症した恥骨の炎症の影響で長期戦線離脱を余儀なくされたが、PNC初戦のフィジー戦で約8カ月ぶりに復帰。トンガ、米国戦と2試合連続で先発出場を果たし、完全復活をアピールした。試合後にチームを代表し、優勝杯を掲げると「日本はフィジカルエリアは強くなっている。トンガ、フィジー、米国にそこで負けていないのは評価できる。良い流れでW杯に臨みたい」と総括した。

それでも、11年はPNCで勝利したトンガにW杯本大会で敗れた経験があるだけに、反則の多さや、FWの出足の遅さなど課題も指摘。「チームとして良い一体感は出てきたが、変な自信は持たない方が良い。W杯になったらロシアもサモアもまた違うチームになってくる」と引き締めた。【奥山将志】