ラグビーW杯フランス大会で初優勝を狙う開催国フランス(世界ランク3位)に悲劇が起きた。

21日(日本時間22日)にマルセイユでナミビア(同21位)と対戦し、96-0で圧倒して3連勝。認定トライを含めた14トライで1次リーグA組の首位に浮上したが、21年世界最優秀選手のSHアントワーヌ・デュポン(26=トゥールーズ)が危険なタックルを受けて負傷交代となった。

一夜明けた22日、フランスのラグビー連盟は顎骨の骨折と発表。今大会最多、W杯史上7番目の96得点の圧勝にも不安材料が生まれた。

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フランスにとって、大勝を喜べない夜になった。54-0の後半5分、デュポンはパスを放った直後、タックルしてきた相手の頭が顔面に当たった。途中退場となり、一夜明けた22日に同国連盟は顎骨の骨折と発表。外科専門医による欠場期間の判断を待っており、代表活動は同行するという。

中長期的な強化で自国開催にピークを持ってきたフランスだが、悪夢が続く。大会前にはSOヌタマックが左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。デュポンとの世界屈指のコンビで注目を集めてきたが、W杯出場を逃した。ガルティエ監督は大量リードの後半開始からデュポンを下げなかった判断を問われ「どう答えろというんだ? ハーフタイムに15人の選手を外すわけにはいかない」と口にした。

順当に8強入りすれば、準々決勝の相手はアイルランド(世界ランク1位)、南アフリカ(同2位)がいるB組上位となる。開幕戦でニュージーランド(同4位)を破り、期待高まる開催国に試練が訪れている。