過去2度優勝の強豪オーストラリアが、10大会目にして初の1次リーグ敗退の危機に陥った。ウェールズから1トライも奪えず、6-40で完敗。次期日本代表ヘッドコーチ(HC)有力候補のエディー・ジョーンズ監督(63)は謝罪した一方、苦しむ母国の立て直しに意欲を見せた。17日の第2戦でフィジーに歴史的白星を与えており、各組上位2チームの8強進出へ、厳しい立場に追い込まれた。

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苦難に直面するたびに強い言葉で鼓舞してきたジョーンズ監督が、ぼうぜんとしていた。前半は6-16。13点を追う後半8分、防御裏へのキックを相手CTBトンプキンズに押さえられた。手痛いトライで主導権を握られると、スクラムで押され、ミスにハイタックルと悪循環。大勢が決した6-32の同30分にDGまで決められ、世界的名将は「おわびしたい。私たちのパフォーマンスは、求められているスタンダードに達していなかった。私に、全ての責任がある」と謝った。

前日24日、オーストラリアメディア「シドニー・モーニング・ヘラルド」が、W杯前に自身が次期日本代表HCの面接を受けていたと報じた。日本はジョセフHCの今大会限りの退任が決定済み。ジョーンズ監督が有力候補となっている。この日の試合後も報道陣に事実確認され「何を言っているのか分からない。オーストラリアのコーチングに専念している」と返した。

残すは10月1日のポルトガル戦。白星を計算できる相手だが、自力での8強入りが消滅し、2試合を残すフィジーの結果に左右される。自国開催の27年大会も視野に若手主体で臨んだ強豪が、窮地に陥っている。