前回準優勝のイングランドが、2大会連続のベスト4進出を決めた。1次リーグで日本にも勝利したラグビーの母国は、最後の最後に、飛び道具で試合を決めた。後半20分まで14点差のリード。ただ、フィジーの連続トライなどの猛攻に遭い、同点とされた直後の後半32分だった。敵陣深くの中央でパスを受けた主将オーウェン・ファレル(32)が選択したのは、ドロップゴールだった。相手の意識をストップさせる、勝ち越しのキックで試合を決定づけた。

1次リーグ初戦のアルゼンチン戦では、ドロップゴール祭りだった。この日は、リザーブのSOジョージ・フォード(30)が、前半にドロップゴール3連発。試合を通して6本のペナルティーゴールをマークし、キック成功率100%をたたき出した。フォードの右足だけで、チームの全得点(27点)を奪い、勝利に貢献。世界にキックの“脅威”を誇示した。

イングランドにとっては、約2カ月前の悪夢を断ち切った形だ。W杯前の8月26日に行われたフィジーとのテストマッチ。スコアは22-30。同国に8度目の挑戦で、歴史的初勝利を許した。その試合には、ファレルなどが出場停止ではあったが、伝統国が言い訳を許される訳ではない。大会前には不調などもささやかれたが、1次リーグは4戦全勝。そして、因縁のフィジーに、今回は30-24でリベンジを果たした。準決勝では、フランス-南アフリカの勝者と激突する。