横綱朝青龍(28=高砂)が「仏」になった。熊本県玉名市にある蓮華(れんげ)院誕生寺の仏像モデルに選ばれ、5日に京都市内で写真撮影を行った。同寺南大門の四天王のうち、横綱白鵬が「広目天」を、朝青龍は最強とされる「多聞天」になる。川原英照住職(56)が「多聞天は全体を統括する役目。一番大事なのでお願いした。横綱は頭はいいし、ちゃめっ気もある」と褒めちぎると、朝青龍は「いやあ」と照れ笑い。ご機嫌にポーズを取った。

 仏像の完成は11年春の予定だ。完成は2年後、と聞くと「ど~ですかね」とポツリ。笑いながら「やってるかどうか、わからないなあ…」とつぶやいた。川原住職の「横綱は3年後までは大丈夫!」との微妙な助け舟に「命令なんで、頑張ります」。何とか31歳までの現役宣言をした。

 朝から優等生だった。通常より1時間も早い、午前9時前に大阪・寝屋川の境川部屋へ到着。申し合いでは絞れた体で豪栄道、栃煌山らを圧倒(16勝1敗)し、境川親方(元小結両国)を「(前回出げいこに来た)秋場所前と比べて、気迫も気力も充実している」と驚かせた。満足顔の「仏様」は、連覇を狙う春場所(15日初日、大阪府立体育会館)に向けて「大阪は不景気だけど、不景気を忘れて見に来てほしい」と、観戦のススメを説いた。【近間康隆】