<水泳世界選手権:競泳>◇29日◇上海

 200メートル平泳ぎ決勝のレースを終えた北島は、肩で息をしていた。ミックスゾーンに入ってきても、質問にしばらく答えられない。それほど消耗し切っていた。「悔しいです。すべてを出せたとは思うが…。勝負に行って負けたんで悔いはないが、悔しいです」。

 150メートルまでは世界新ペースだった。だが、残り25メートルで失速した。隣のコースのジュルタ(ハンガリー)の追い上げに、必死に水をかいて抵抗した。だが、残り10メートルで逆転された。金メダルを取って来年のロンドン五輪代表に内定するビジョンが、寸前で崩れた。「この悔しさが、自分を成長させてくれると思っている。また強くなって、この(世界の)舞台に戻ってきたい」。自分に言い聞かせるように、言葉をしぼり出した。