<バレーボール:全日本高校選手権:京都橘2-0高田>◇5日◇1回戦◇東京体育館

 女子は4年ぶり出場の高田(岩手)が京都橘(京都)に敗れた。

 敗戦が決まり、高田の選手たちが応援席の前に立つと、スタンドからは温かい拍手と「ありがとう」の言葉が送られた。東日本大震災後、初めてつかんだ全国舞台。被災地・陸前高田の人々の思いを背負い、最後まで諦めずにプレーした。水沢雄次監督(38)は「ここに来られたことが奇跡。町を失ったのも一瞬だったが、『春高』という最高の瞬間も一瞬だった。でもたくさんの人たちと、この舞台で同じ気持ちを共有できた。本当によくやったと思う」と涙で選手たちをたたえた。

 目標の全国1勝はならなかったが、白川菜穂実主将(3年)は「この日のために頑張ってきてよかった」と話した。震災直後に入学。練習環境が整わない中でも先輩たちは毎年、県決勝まで連れて行ってくれた。そして今年、3年生がチームを引っ張り全国舞台に立った。白川は「高田の伝統として、後輩たちには先輩の思いをつなげていって欲しい」と期待を込めた。